地政学的リスク

2017年8月8日 9:33 AM

本日は地政学的リスクについて話したいと思います。
『地政学的リスク』は最近よく聞く言葉ですが、皆様も知っておくべきことであり
企業戦略にも影響を与えています。

地政学的リスクとは一般的にテロや戦争、更には財政破綻から生じるリスクを
意味しており投資家の立場から見た不確実性を指しています。

元々は2001年に同時多発テロが発生した直後、ニューヨークの株価が急落し世界経済の停滞を招いた件が地政学的リスクという言葉が使われ始めた最初になります。

地政学ですから地理的政治的リスクと捉えます。
ある特定の地域が抱える政治的軍事的緊張の高まりが地理的位置関係により特定地域
或いは世界全体に先行き不透明感を与えることです。
昨今ではイギリスの経済的に言えばEU離脱やロシアのクリミア半島侵攻、或いは朝鮮
半島の脅威等があります。

嘗ては石油に関連し運河や海峡のリスクがありました。
代表的な例に真珠湾攻撃があります。真珠湾攻撃は何故起こったのでしょう。
一説ですが、当時から日本の弱点はエネルギー調達にありました。
その頃には石炭が使われなくなり石油が必要になりました。
戦前の日本はアメリカから石油を輸入していました。
しかしアメリカは日本が満州国を作り中国に進出するなどおかしな動きをしていると
いうことで石油の輸出を禁止したのです。
これはどこか現在の北朝鮮に似ています。
国連決議で北朝鮮への石油輸出を禁止しました。実行されるかは別ですが。
北朝鮮は石炭はありますが石油はありません。
ですから完全に輸出停止すればロケット開発は出来なくなるのです。

話を戻します。
石油を止められて日本は焦りました。
アメリカからの石油がストップすれば備蓄は1年分しかありません。
ここで戦争を起こし油田を奪わねば日本は滅びてしまうと考えました。
そこで日本が注目したのはインドネシアのスマトラ島とボルネオ島です。
日本は満州国からインドネシアに侵攻して行きました。

スマトラ島とボルネオ島を奪ってもタンカーで日本に石油を運ぶ為に通らなくては
ならない海峡がバシー海峡です。
そこにはフィリピンに駐留するアメリカ軍が待ち構えており日本のタンカーが通れば
撃破されます。
フィリピンに駐留している米軍の本拠地はハワイのホノルルでした。
つまり石油を安全に運ぶ為に真珠湾を叩いたのです。

現在において地政学リスクは拠点戦略に影響を与えています。
例えばアスクルを例に挙げましょう。
先般埼玉の物流センターが火災で焼失しました。
アスクルは全国に7つ物流倉庫があり大きいのは横浜です。
全国展開している会社の大半は東日本、中部、関西に拠点を設けています。
本社機能は東京本社と大阪本社と分けています。
それは地政学リスク故の選択です。

私がジャパニアスを創業した頃、あるお客様が拠点を静岡に移されました。
私はその時地政学リスクを考えました。それは地震です。
静岡で大地震があれば我社の社員は全員返されてしまいます。
それを恐れて神奈川や東京のお客様の開拓に注力しました。

実際に東日本大震災で被害を被った企業は数多くあります。
倒産を防ぐ為には分散投資という考えが必要です。
一極集中は非常に効率が良く且つ利益も高いですが、何か事故があった時の被害が
甚大になります。
戦争または地震や火災などの災害、風評被害などがあった時
拠点が一つだと壊滅してしまいます。

代替機能を持つ拠点を設けていかないと事業は大きくなりません。
小さな会社にあっては何か事故があった時の対応が不可能なら廃業するという選択もあるでしょう。
逆に言うとリスク分散に向けて手を打っていくことが大きく発展する源になるのです。
発展はリスクに晒されます。
一つの行動を起こせば良いことと悪いことが背中合わせにあるものなのです。

昨今は画期的な商品が少ない様に感じます。
例えばスマホ。画面が割れにくいとかメモリが多くなる等の改善はあっても革新的なものは
もうないのではないでしょうか。
現在それがあるのは自動車です。
ガソリンから電気、水素、自動運転と今まで無かったものが出て来ています。
その次はAI。ですがこれはもう少し先になるでしょう。
今AIをやっているところは未だ赤字だらけです。

後はIT。
15年前のアメリカの時価総額の高い主要15社はGM、GEや石油会社がメインでその中でIT企業はマイクロソフトだけでした。
それが今はグーグルやアップル、アマゾン、フェイスブック等のIT企業が並んでいます。
15年前から残っているのはマイクロソフトただ一社。
更に15年後これがどうなるかは誰にも分かりません。

日本も三大財閥や五大財閥と言われていますが今やソフトバンクの孫財閥が注目されています。今後はそれに続く会社が続々出て来るでしょう。

我社も含め、勝ち残る為にはリスクを恐れずに拠点を展開するのも大事なことです。

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